ありがとう、さようなら

2020年03月04日 08:00

我が家のガレージのボスであり、48PRODUCTの象徴でもあったシボレー・フリートライン。実は昨年、他のオーナーの元へ旅立ちました。

フリートライン

いろいろな事が一段落して、これ以上ないタイミングでの決断でした。このクルマが与えてくれた影響は語り尽くせないほどあります。例えば・・・

48PRODUCT

1948年のINDY500ペースカーはこのクルマでした。(正確にはフリートラインのオープンVerのフリートマスター)その時代の資料を元にペースカーと同じグラフィックをデータに起こしてステッカーにしました。更に当時所有していたケータハム・セブンをその年のチャンピオンカー風にカスタム。あの所さんに認められてアワードを頂いたりもしました

トヨタ博物館賞
9年目を迎えた「トヨタ博物館 クラシックカー・フェスティバル in 神宮外苑」レポート

トヨタ博物館主催のクラシックカーフェスで特別賞 トヨタ博物館館長賞を頂きました。

1948 CHEVROLET FLEETLINE

アワードには縁がありませんでしたが、MOONEYES主催のストリートカーナショナルズに20年間同じクルマで参加し続けたことを誇りに思っています。

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北海道でのドライブイベント、故郷の新潟県までの帰省、一時期は普段使いのデイリーカーとして運用していたこともありました。その見切りの悪いボディとノンパワステ、コラム3速の操作性で日本の細々した路地を走るのは決して快適ではありませんが、国道や高速道路のような道でのクルージングは最高な気分にさせてくれました。70年以上の前のクルマですが、なんの問題もなく優雅に堂々とドライブできます。もちろんそこには感動があるのですが、同時に当時のアメリカ(フリートラインは戦前の設計)の豊かさを肌で感じ、この国と戦争をした我が国の事を考えずにはいられませんでした。そんな相反する感情を掻き立てるクルマでもあったのです。

整備やメンテのこと、この車を通じて出会った人々・・・こんな感じで話は尽きませんが、最後にこのエピソードで締めたいと思います。

以前、テレビの取材で「フリートラインは棺桶の代わり」なんて話した事がありました。残念ながら(?)CoffinにはなりませんでしたがGraveにはなったんですよ。このクルマに対するリスペクトを私たちなりに表しました。

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断捨離ではなく断車離。断腸の思いでそのクルマを手放そうとしているオーナーさんも多いでしょう。思い入れのあるクルマほど手に入れるよりも、手放す方がよっぽど大変なのかもしれませんね。きっとこんなストーリーが世界中に溢れているんでしょうね。

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オーナーと最後の写真

でもその結果、ガレージと心にぽっかりとスペースが空くんですよ(苦笑)

つづく?

Jr

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ドイツのクルマ事情

2020年02月13日 18:06

本ブログで以前ドイツやスイズのヒストリックカー事情について触れた事があります。

(過去記事:2015年増税から自動車のこれからを少し考える)

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車検内容にも個人で選べるオプションがあって、例えばオープンカー、あるいはモーターサイクルを所有している人は厳しい冬は走らないので4月から10月までの「7ヵ月車検」という申し込みもできる。そうすると車検代も、税金も、そして保険も安くなる。さらにこうした冬場に使わないクルマはサマーカーとあだ名が付けられ、車検証にもその経過が記載されるので中古売買の時に比較的高額で売れる。もうひとつの車検アラカルトは「ヒストリック登録」である。もし貴方のクルマが30年以上古くて、オリジナルの状態を保っていることが車検で証明されれば、そのクルマは工業製品文化遺産ということになり、ナンバー末尾にH、すなわちヒストリック・ナンバーが発行される。そうするとその車両に関わる自動車税は一律およそ1万8千円で済む。もちろん触媒の有無は問われない。しかしこのドイツの制度はまだずっと厳しい方で、北欧諸国や英国では車齢は25年で十分、さらに車検や税金を免除しているところもある。
 こうしたフレキシブルな車検制度によって自動車を工業文化遺産として保存する努力もしているのである。ところでドイツではまだ検討中だが、さらこの上を行く制度もある。スイスではクルマを複数所有するオーナーに対してナンバー・プレートを1枚だけ交付するという制度がある。もちろんその車検証には複数のクルマが記載されており、支払う税金や保険などはそのなかで最高額のクルマに合わせる。
 つまり一人のオーナーは同時に3台のクルマを走らせることはできないので3台分の負担をする必要はないという理屈である。つまり自動車は走る道具であり、ガレージに置かれている状態では課税する必要はないというわけだ。もちろん車検は別途取得しなければいけないが税金や保険は一台分で済むので、例えば通勤用のセダンはウィークデイに、趣味のカブリオレは週末用といった複数所有需要を喚起することができるというわけである。
 さて、話をドイツの車検に戻すと、前述した重量税などという意味希薄な多重搾取的税金も存在しない。自動車の保有者は排気量と二酸化炭素排出量に準じた自動車税を支払うだけでよい。



ドイツを駆け抜ける車たち(design stories)では、ヒストリックカー事情については重複する内容もありますが、もっとリアルなドイツのクルマ事情が書かれています。車庫証明がいらなかったり、屋外での洗車は禁止だったり、マイ馬用のトレーラーを持っている人が結構いるだとか・・・「へぇー!」と思わず声が出てしまう内容でした。面白いなー。

Jr

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海外の日本車達

2011年06月28日 14:44

世界のモータースポーツで活躍する日本人を取り上げましたが、今日は活躍までは行かないけどがんばってる日本車をFlickr!で見つけたので紹介します。

まずはニュージーランド。日本や英国やオーストラリアと同じように左側通行で右ハンドルが標準な国であり、乾燥した気候で土地も広いので程度の良いクラシックカーが残っている可能性が高く、日本で見なくなった旧車を見つけるには最高の国。そんなニュージーランドでこんなの見つけちゃいました。

1969 Colt 1100 Ute
Photo by Classic Japanese Cars in New Zealand
1969 Colt 1100 Ute
Photo by Classic Japanese Cars in New Zealand

あまり国産旧車に詳しくないのですが、三菱のコルトにピックアップなんてあったんですね。セダンピックアップ好きにはたまらないなぁー。欲しいなぁー。

思い起こせば、新婚旅行でオーストラリアに行った時に驚いたのがピックアップの多さ。アメリカでは途絶えたセダンピックアップ(シボレー・エルカミーノやフォード・ランチェロ)の系譜が遠くオセアニアの大地で脈々と引き継がれていたのです。

Holden Ute with Grille Gaurd
HOLDEN UTE Photo by jalopnik

古いランチェロも多く走ってましたが一番多かったのがGM傘下のホールデンのクルマ。いろんなバリエーションがありましたが土地柄大きなカンガルーバーを取り付けた車両に目を奪われました。
そう考えると、あのコルトもオセアニア向け専用設定なのかな? ・・・と思ったら日本語で書かれたカタログにしっかりと「ピックアップ」っでありました。サニトラの競合だったんでしょうか?

Beach Cruiser
Photo by Peppergroyne

脱線ついでにトラックを。オーストラリアのランクル。旅行の時にはステーキベッドを取り付けて牧草をたくさん積んでるランクルも見ましたよ。グリーンボディーに白いバンパーが青空に映えて。今でも鮮明に覚えています。

Colt Galant 1600 GL
Photo By Dan Hirst?
今、見ると新鮮で悪くないぞ。日本だとギャラン・シグマ・・・ですよね。

Japanese Nostalgia Weekend
Photo by Fergus McIver
英国にも豆腐屋さんのクルマがありました。

Subaru BRAT
Photo by Fergus McIver
またまたピックアップ!これも輸出専用モデルのスバル・ブラットですね。

えっと、これはどこなんでしょうか?旧共産圏なフォントが並んでますね。J-Carsオーナーズクラブの集まりみたいです。

IMG734
Photo by Glomerus
ナンバーがまるで収まっていない日本国内向け車両。ホイール&タイヤのチョイスは最初からなのか?それとも狙いなのか!?は皆さんの誇らしげな集合写真に日の丸が掲げられたりして、何か応援されているみたいです(笑)

ちょっと、会社名入ってますよ!って突っ込みを入れたくなるクルマも現役で走ってたりします。そう言えば日本のお役所のクルマがアフリカでそのまま走ってるなんて事もありましたね。

Nissan GT-R
Photo by 46alal
サウジアラビアにGT-Rってのもなんだか不思議な感じですね。お金持ちはミニカーのようにスパーカーを所有している事は知っているので不思議はないのですが、GT-Rってすごくドメスティックな感じがするクルマなので海外にあると妙に違和感を感じます。パジェロやランクルなら想像つくんですけどね。

と、まぁいつも通りかなり偏ったチョイスですが面白いでしょ?ちょっと探してみただけで海外に生息する日本車にたくさん出会えました。日本では古いクルマを所有するのが大変な環境ですが、どっこい世界ではまだまだ現役でがんばっています。

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毎月第一日曜日に開催しているさくらモーニングクルーズでもそんな懐かしいクルマに出会えます。駐車場も大きいのですし、見学者も大歓迎ですよ。是非、お近くの方は幸手市権現堂桜堤まで遊びにきて下さい。次回開催は7/3です。

Jr


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