男の隠れ家 デジタル「古いクルマが趣味という親子が惚れるクラシカルなフォルム」

2020年02月19日 08:00

男の隠れ家 2016年 10 月号巻頭特集「あなたのクラシックカー見せて下さい!」の記事が2019年にムック本へ再編集されました。今度は男の隠れ家 デジタルに再登場です。

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「古いクルマが趣味という親子が惚れるクラシカルなフォルム」と題した記事にて紹介していただきました。ハウスインナー®についてもちょっとだけ触れてもらっています。まぁ、1度の取材で3回目の掲載なので「またこれかよ」と苦笑いですが、ネットでフリーに読めるので、まだ見てなかったって方は是非。

Jr

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自立式空間構成フレーム「ハウスインナー®」発売中!


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英国車の遺産証明所取得方法

2014年06月06日 11:51

ちょっと前になりますが、&さんのA35に掲げられていた証明書について書いたのを覚えていますか?「つづく」と書いておきながら随分と経ってしまいましたね。

今回、その血統を調べられてしまうのはこのヒーレー100です。どうやらオリジナルらしい・・・と言われておりますが、実際はどうなのか?その出自が暴かれます。ドキドキ・・・。

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この遺産証明所の入手って終わってしまえば本当に簡単なのですが、英語が不自由な挙げ句、その証明書の種類もいくつかあるし、どこまで記入していいのかもよくわからなくて躊躇していたんですよ。まぁ、とにかくやってみたら届いたのでその顛末をレポートします。

まず英国のヘリテイジモーターセンターのサイト内ショップからBMIHT Heritage Certificates & Archive Servicesへジャンプ。いっぱい種類があるのですが、とりあえずノーマルの「Heritage Certificate」を選びました。すると下の画像のような入力欄が出てきます。

heritagecertificate.jpg

どこまで記入しなければダメなのかわからないのですが、付きの所を記入すれば後は登録されている番号が出て来るんじゃないの?って事にして入力を進めました。

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カーナンバーについてはエンジンルーム内のコーションプレートで確認できたのでこれを入力。このコーションプレートの上にもうひとつ簡素な刻印プレートが張ってあったのでボディーナンバーだと判断してこれも記入。は付いてなかったのですが、入力できる物は入力しようと思いまして。

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エンジンナンバーについてはブロックに刻印してあったこの番号を入力します。「1b222 o54M」で合ってるのか?と不安になりながら・・・。
悩んだのはカーナンバーのコーションプレートにエンジンナンバーとも書かれているので、ブロックの刻印とどっちが優先なのかがわからなかった事。写真送って確認すればいいのですが、ここはえいやぇーで(苦笑)

そして待つ事1ヶ月半・・・忘れた頃に自宅に一通の封筒が届きました。

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Please do not bendさすがにこれくらいは理解できます(笑)厚紙を台紙に「Heritage Certificate」が届きました。英国の自転車文化センターの職員さんにこちらの気持は伝わったのでしょうか?

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届きましたよ。想像していた通りでひと安心。(木製フレームは別に購入しました)記録を見てみるとほぼオリジナルなんじゃないかと思います。ボディーナンバーは入力ミスで「5211 7821」と書いてしまったのですが、実際は「5211 7828」で、この証明書にも「7828」と書いてあったので出荷時と同じっぽいです。

quote2.jpg

残念ながらエンジンナンバーはマッチングしていませんでした。「1b222o54M」(よく見ると"o"は"6"か"8"だったかな)と読めるこの記号を入力しましたが、証明書には「1b/223929」と記載されています。エンジンは交換されているって事なのか?ヒーリー100にはMパッケージなる個体が640台生産されたとWikipediaに書いてありますが、このエンジンに換装したのか?そうだとすると90hp(67kW)から110hp(82 kW)のハイパワーユニットが搭載されている事になりますね。マッチングしてない事よりもレア?なハイパワーパッケージを喜ぶべきでしょうか。

キーナンバーは未確認ですが、それ以外のボディーカラーや内装の色など装備はそのまま。1955年2月10日って誕生日もわかったし、正式車両名がAUSTIN-HEALEY 100 TWO-SEATERってこともわかりました。54年式って書いてるけど55年だったんですね。

たかが紙一枚にプリントアウトされた記録・証明ですが、このたかが一枚がどれだけの事を想像させて、よりクルマへの愛着が湧くか・・・クルマ好き・・・いやモノ好きにはご理解頂けると思います。

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現在の英国はF1をはじめスポーツカーのファクトリーとしては一番の国。でも一般車はどうか?資本は別にしても生産は英国で続けている超高級車の生産は続いていますが生産台数はたいしたことがありません。最近ではホンダや日産が生産量を増やして台数に貢献しているようですけどね。
しかし、生産量では英国なんて歯が立たないくらいビッグになった日本が、こと自動車文化の成熟度に置いては英国には歯が立たない現状もあるんじゃないでしょうか。古いクルマは道楽(贅沢品)で環境に悪いし経済にも貢献しないから税金たくさんとっちゃおうって感じでしょ?たくさん作る国が一番偉いんだったら隣の大国にその座を奪われる日も近い訳で、いろんな意味で成熟した大人になりたいもんですね。

Jr


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サヨナラカニメ

2013年06月18日 08:00

「Austin Healey Sprite MkI」直訳すると“妖精第一世。言い得て妙な名称を与えられた通称「カニ目」が、新しいご主人のもとに行きました。50歳半ばから60歳半ばまでの10年間、一緒に暮らした時間はとても刺激的でした。

1960 Austin Healey Sprite Mk1
過去のブログ記事参照:過不足ないクルマ

サヨナラカニメ
Jr:「カニ目、明日もってくよ」
48父:「あー頼むよ・・・」

Jrと僕のそっけない会話。

娘(空想):「それじゃお父さん行くネ」
父:「あー元気でナ」

無理して無関心を装い娘を嫁がせる父親の心境です。翌日帰宅すると約束通りガレージからカニ目は消えていました。床に残ったオイルのシミと、残り香(自分の愛車の匂いって分かるんですよね)でした。「あぁ、居なくなったんだな・・・」狭いガレージがやけに広く感じた夜でした。その代り普段、カニ目と冷蔵庫の隙間で我慢を強いられていたカミサンの愛車、「アシスタ」(電動アシストサイクル 笑)が、「とりあえず私が主人よ!」と言わんばかりに、無駄に斜め置きされていた姿も物悲しさを誘いました。

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回想 舞台が整うと痛快無比
ホンダ「S」のような高回転型エンジンはとっても官能的ですが、カニ目のエンジンは、低い回転数から十分なトルクが得られるので、常に回転を維持することに神経質にならずとも、3000回転付近で2速と3速を上手に使えば、これがOHV948ccなのか!?と疑うほど機敏に走りました。クイックなハンドリングとか、古臭いが味わいのあるレバーショックとのマッチングが・・・など、美点を書いたらきりがありませんが、42.5馬力のエンジン出力は、数字だけでみたら非力でも、それで十二分!身の安全を担保できる速度領域で、100パーセント力を引き出せる“おいしい走り”は悦楽です。
いささか運動神経が鈍った熟年ドライバーには最適でした。今の高性能車のポテンシャルを100パーセント引き出す機会などそうあるものではありません。出来たらこんなクルマを自動車教習所で、スポーツ走行を体験させることができたら、センスのいいクルマ社会が実現する!そう確信しました。

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ちょっと余談
そう言えば僕が中学生のころ、ホンダがスポーツカブを全国の中学校に寄付してくれ、「職業と技術」という科目で、エンジンの仕組みを勉強させてもらったことを思い出しました。おまけは、校庭を使っての走行体験!これはバイク好き、ホンダファンを育てる素晴らしい戦略でした。ホンダは後発メーカーで、何とか通産省にクルマ作りを認めさせるのに必死だったんですね。その結果が、スズキに入社(笑)。そしてクルマ好きが高じてこんな結果に!メーカーの仕込みが功を奏したんですね。メーカーさん!もっとちゃんと市場づくりを戦略的にやってよ!と思います。トヨタさんが活動されている「ハチロク」のその後を追跡検証したいと思っています。

目指せ!カフェレーサー風(笑)
「エッ!塗装しちゃったの!カッティングシートじゃなかったんだ・・・(もったいない・・・影の声)」
 みなさんそう思っていらっしゃったようです。グレーのゼッケンサークルや、法則にあり得ない勝手なストライプを、思いつきで入れてカフェレーサー風を気取りました。いいんです!自分のセンスでクルマという素材を楽しむのは我が家の血筋のようで、「Pace&Race」というテーマでフリートラインとケータハムを、モデファイしたのもそんな血の成せる技です。それが共感を得れば!あっセンスいいね!」ってことになるんでしょうが・・・。カニ目はどうだったかな(笑)。

1960 Austin Healey Sprite Mk1
さくらモーニングクルーズVol.29で撮影した写真が最後になりました

何時か出あいたい・・・
カニ目は訳あって(後にお話しします)、ケータハムを購入したセブンスピードさんの仲介で、新しい嫁ぎ先を決めていただきました。ポルシェなどを乗り継ぎ、そろそろ小さなスポーツカーに乗りたいとのことで、カニ目に辿り着いたようです。新しいオーナーの素敵なセンスで、どのような妖精に生まれ変わるのだろう?いつかどこかで出会いたいと思います。やきもちを焼くくらい素敵になったカニ目に・・・楽しみです。

1960 Austin Healey Sprite Mk1

預かりもの
僕のカニ目の前オーナーでMG Fに乗り換えたOさんが、ある日僕のカニ目を見つけ後ろを走り、「やっぱりカニ目はかっこ良いなぁー」と、しみじみ呟いていた気持が切ないほどよく分かります。僕はOさんから10年間カニ目を受け継ぎ、次の人に受け渡す役割を無事終えたのでした。やっぱりいいなぁー!クラシックカーと仲間たちは・・・。

1960 Austin Healey Sprite Mk1

48の父


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Austin Healey Sprite Mk1 PART-5

2010年11月04日 08:00

ショック交換
師匠のお導きでカニ目のエンジンが再生し、走ることには不満はなくなったのですが、乗り味にいま一つ納得できないものがありました。師匠には「時間をかけてゆっくり仕上げて行けばいい」というアドバイス頂きました。

すぐにでもショックをテレスコピックに変更したかったのですが、「新車当時の乗り味を徹底して再現し、それを味わった後に、現代パーツを組むべきだ」とのJrの言い分もあり、リヤスプリングと底付きがしているショック4本をリビルト品に、バンプラバー、ブッシュなどへたった部品を交換し走りを試してみました。

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交換後は車高が上がりました(笑)それだけ抜けていたって事ですね

「な―るほど」・・・。突き上げるような走りがスパルタンで、これラライトウエートスポーツカーだと思っていたことの勘違いが、いくつかあったことを実感しました。元々のショックアブソーバーの構造と加工精度(リビルト品はインド製)から、これ以上の性能は期待できないのですが、しっとり感が増したというか、路面の凹凸の乗り越え性、コーナリングの粘り、立ち上がり時に進行方向に向かう収束性、すべてが向上して、またカニ目本来がもつポテンシャルの高さを実感したものです。

ただし、1か月もしないうちにフロント右側のショックが抜けてしまったのにはちょっと驚きました(苦笑)。英国車のリビルトパーツは、植民地だったせいでしょうか?インド製が多いですね。師匠が持っているディーゼルエンジンバイク(ロイヤルエンフィールド)はインド製ですが、確かエンジンは英国製のはずです。シボレーのフリートラインのリビルト部品は台湾製が多いんですよ。面白いですね。

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48の父


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Austin Healey Sprite Mk1 PART-4

2010年11月02日 08:00

スタイリング
カニ目に話をもどします。カニ目は一目で全体が視野に納まり、納得できるひと塊のスタイリングです。そんな車は最近なかなかないものです。カニ目のスタイリングが、そのジャストサイズだと思います。

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全体に前後がつぼまった形は前代のスタイリングに通じます。程よくラウンドしたボディーラインも節度を持っていますし、トランクのないボディーと、ドアノブを排除したシンプルなサーフェースは、スムージングボディーの先駆者(車)ともいえます。

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そうして造形したひと塊のボディーの真ん中を、クリッとスプーンでくりぬいて、ドライバーズポジション(インテリア)を創ったスタイリングに破綻がありません。
運転席を一周取り囲むアルミトリムも、なかなかいいセンスです。ダッシュボードにはスミスのメータが並び、その気にさせます。ただし正確さは保証しませんが・・・(苦笑)

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カーデザイナーの憧れと嫉妬    
結果、性能と造形の成果がデザイナー(設計者)の意図通り、何事も突出することなく絶妙なまとまりを見せています。コストの制約で、世界初のリトラクタブルヘッドライト装着車の名誉は逃したものの、それさえもカニ目に代名詞になり、以来、愛され続けるスタイリングのアイコンになりました。

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足りないものは何一つない。スポーツカーとしての基本をすべて備え、思惑通りのドライビングの楽しみを味わうために過不足がないバランスに仕上げられたその行為は、エンジニアリングとデザインの両方を、クルマを操り悦楽の境地に浸ったことのある一人の目利きが、“譲ることと譲れないこと”をしっかり見極め、コンセプトマネージメント、誰はばかることなく実践したことが、同じデザイナーとして、憎たらしいほどよく分かりますし、同時に憧れと嫉妬が同居する複雑な気持ちにします。

十二分の開発費と熟練工の技を使いきり、世界中の恵まれたエンスージャーストに、フェラーリをデザインすることも素晴らしいけれど、それほど潤沢な資金もないが、動物としての五感を目いっぱい働かせ、車が発揮するポテンシャルを眼いっぱい楽しむための車をデザインするほうが、きっと素晴らしいと思います。

それも日本で一番小さな自動車会社でデザイナー人生を歩んだ、自分の出自故だろうと思います。唯一日本のメーカーが作ったスポーツカーで、同じ志を持った車が、本田宗一郎氏が率いて世に送り出した、「エス」だと信じています。

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何時か「エス」を所有してみたいと思っています。どなたかご縁があったらご紹介ください(笑)。いつまでも待っています。

愚痴
自動車メーカーは、企画の下に、設計とデザインが連携しないで勝手に動き、出来たモデルを、車に大して興味のない役員会が審査して、どんどん汚してしまいます。一人の目利きがしっかりデザインマネージメントをしてまとめないと、つまらない車ばかり生まれます。あーいかん!愚痴になりそう(苦笑)。

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こんなにも日本の風景にマッチする英国車もなかなかありませんよ

とにかくカニ目はグッドデザインです。

48の父


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