2013年06月18日 08:00

過去のブログ記事参照:過不足ないクルマ
サヨナラカニメ
Jr:「カニ目、明日もってくよ」
48父:「あー頼むよ・・・」
Jrと僕のそっけない会話。
娘(空想):「それじゃお父さん行くネ」
父:「あー元気でナ」
無理して無関心を装い娘を嫁がせる父親の心境です。翌日帰宅すると約束通りガレージからカニ目は消えていました。床に残ったオイルのシミと、残り香(自分の愛車の匂いって分かるんですよね)でした。「あぁ、居なくなったんだな・・・」狭いガレージがやけに広く感じた夜でした。その代り普段、カニ目と冷蔵庫の隙間で我慢を強いられていたカミサンの愛車、「アシスタ」(電動アシストサイクル 笑)が、「とりあえず私が主人よ!」と言わんばかりに、無駄に斜め置きされていた姿も物悲しさを誘いました。

回想 舞台が整うと痛快無比
ホンダ「S」のような高回転型エンジンはとっても官能的ですが、カニ目のエンジンは、低い回転数から十分なトルクが得られるので、常に回転を維持することに神経質にならずとも、3000回転付近で2速と3速を上手に使えば、これがOHV948ccなのか!?と疑うほど機敏に走りました。クイックなハンドリングとか、古臭いが味わいのあるレバーショックとのマッチングが・・・など、美点を書いたらきりがありませんが、42.5馬力のエンジン出力は、数字だけでみたら非力でも、それで十二分!身の安全を担保できる速度領域で、100パーセント力を引き出せる“おいしい走り”は悦楽です。
いささか運動神経が鈍った熟年ドライバーには最適でした。今の高性能車のポテンシャルを100パーセント引き出す機会などそうあるものではありません。出来たらこんなクルマを自動車教習所で、スポーツ走行を体験させることができたら、センスのいいクルマ社会が実現する!そう確信しました。

ちょっと余談
そう言えば僕が中学生のころ、ホンダがスポーツカブを全国の中学校に寄付してくれ、「職業と技術」という科目で、エンジンの仕組みを勉強させてもらったことを思い出しました。おまけは、校庭を使っての走行体験!これはバイク好き、ホンダファンを育てる素晴らしい戦略でした。ホンダは後発メーカーで、何とか通産省にクルマ作りを認めさせるのに必死だったんですね。その結果が、スズキに入社(笑)。そしてクルマ好きが高じてこんな結果に!メーカーの仕込みが功を奏したんですね。メーカーさん!もっとちゃんと市場づくりを戦略的にやってよ!と思います。トヨタさんが活動されている「ハチロク」のその後を追跡検証したいと思っています。
目指せ!カフェレーサー風(笑)
「エッ!塗装しちゃったの!カッティングシートじゃなかったんだ・・・(もったいない・・・影の声)」
みなさんそう思っていらっしゃったようです。グレーのゼッケンサークルや、法則にあり得ない勝手なストライプを、思いつきで入れてカフェレーサー風を気取りました。いいんです!自分のセンスでクルマという素材を楽しむのは我が家の血筋のようで、「Pace&Race」というテーマでフリートラインとケータハムを、モデファイしたのもそんな血の成せる技です。それが共感を得れば!あっセンスいいね!」ってことになるんでしょうが・・・。カニ目はどうだったかな(笑)。

さくらモーニングクルーズVol.29で撮影した写真が最後になりました
何時か出あいたい・・・
カニ目は訳あって(後にお話しします)、ケータハムを購入したセブンスピードさんの仲介で、新しい嫁ぎ先を決めていただきました。ポルシェなどを乗り継ぎ、そろそろ小さなスポーツカーに乗りたいとのことで、カニ目に辿り着いたようです。新しいオーナーの素敵なセンスで、どのような妖精に生まれ変わるのだろう?いつかどこかで出会いたいと思います。やきもちを焼くくらい素敵になったカニ目に・・・楽しみです。

預かりもの
僕のカニ目の前オーナーでMG Fに乗り換えたOさんが、ある日僕のカニ目を見つけ後ろを走り、「やっぱりカニ目はかっこ良いなぁー」と、しみじみ呟いていた気持が切ないほどよく分かります。僕はOさんから10年間カニ目を受け継ぎ、次の人に受け渡す役割を無事終えたのでした。やっぱりいいなぁー!クラシックカーと仲間たちは・・・。

48の父

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