2014年05月21日 14:03
今回は番外編で映画ではなくミステリー小説から。これは本が好きな友人に薦められて頂いたもの。「私は全くわからなかったけど、クルマにマツワル描写がすごい細かいのでそれがわかるともっと面白いと思うよ」との事。これが読み始めたらしつこいくらいに細かく自動車について書かれていてビックリしました。
CHEVROLET C-10
Photo by Pete Stephens
主人公のラリーは41歳の自動車整備士。ミステリー小説を愛しアメリカ東南部の田舎で父親から受け継いだ整備工場と何エーカーもある敷地に建つ自宅を往復する毎日。この往復に使うのはこれも父親から受け継いだ赤いトラック。70年代のはじめ頃を想像して読んでいたのですがそんな表記があったかは覚えてないや。この助手席に乗って彼は学校の送り迎えもしてもらっていました。父親はシートベルトは軟弱な男がするモノだと思うタイプです。
60年代 JEEP DJ
Photo by JOHN LLOYD
ラリーの幼なじみサイラスの乗るのは古いジープ。これは仕事用で彼は治安官をしている。街には予算がなくこんな車しか用意してもらえない。場所はミシシッピーで林業が盛んなところであり古い2WDのジープじゃ可哀想。ただ写真のように郵便局仕様の払い下げではないみたい。郵便局仕様は運転手が乗車したままポストに郵便を入れられるように右ハンドルなんだそうですよ。
彼のジープは4気筒2・5リットで年式については話す場面もありました。確か1965年とか66年くらいだったかな。始動性も悪いしイグニションをオフにしてもエンジンが止まらない症状も出ているのでキャブをまず看てみないとね。
1963-1965 Buick Riviera
ラリーがはじめて女の子とデートに行く時に父親から借りた車。ちょっと手元に本がなくて記憶が曖昧ですが。ビュイックだったと思います。母親の車だったかな。グラン・トリノでもデートの為に大事な車を貸してくれるシーンがありましたね。
私はトラックだとかバンなどの商用車が好きなので、それでもいいじゃんって思いますが、荷物を積む為の車じゃ失礼ってのはわかる。こんな風なカッコ付け方って日本にだってそれこそバブルのときにはあったんじゃないですかね。トラックはあまりにもですが「軽自動車で迎えに来るなんて!」みたいなのはありそう。だから若者は60回ローンでカッコイイクーペを買ったもんです。あの頃はそんな物質で判断するような風潮を冷ややかな眼で見ていましたが、相手の為にちょっと背伸びするってのは微笑ましかったりもしますよね。
FORD BRONCO
Photo by Hog Troglodyte
保安官事務所の主任フレンチが乗るのはブロンコ。年式だとかの描写はなかったのですが、サイラスが羨ましがっていましたね。きっと90年代の車でしょう。
これ以外にも古いフォードのトラクターやマーリン製のライフル、トレーラーハウスやポスト、ダイナー、ドライブインシアターに農場や寂れた街の風景、自動車整備工場の様子なんかもリアルに頭に浮かんできました。70年代のアメリカの人種差別の事なんかもね。
ねじれた文字って「S」の事でサイラスの頭文字でもあるけど、舞台となったミシシッピーの事でもあるようです。ねじれた路はふたりの少年の歩んだ人生の事。ちょっとしたボタンの掛け違いがまさかこんな風になるとは。描写が細かい分スラスラと読める類いの本ではありませんが面白かったですよ。話の決着がついてからが長くて、ここは読み手に委ねて欲しいとは思いましたけどね。でも映画化されたらいいだろうな。
Jr
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