2015年02月09日 08:00
劇中、二度の陪審員による審判でルービン・カーターは有罪となってしまうのですが、それは陪審員が白人ばかりだったり、警察や地域の有力者を巻き込んだ偽証によるものでした。この事件を知り助けたいと奮闘する協力者により様々な証言、証拠を改めて検証すると初期の証言が書き換えられている事や矛盾に気が付きます。ひとつの矛盾が目撃者による走り去る犯人のクルマの特徴でした。
「羽根を広げた蝶のように光るテールランプ」

この証言から犯人は’66年型ダッジで走り去ったと証言されます。カーターが乗っていた(?※)ダッジ・ポラーラと特徴が一致して有力な証拠として扱われるのですが・・・
1966 Dodge Polara
Photo by Richard Spiegelman
実はダッジ・ポラーラのテールランプは形状こそ蝶のようですが実際にテールランプとして光るのは両サイドだけなんですよね。普通の四角いテールランプでしかありません。内側はガーニッシュです。
1966 Dodge Monaco
Photo by Dave S
実は羽を広げた蝶のように光るのはダッジ・モナコなんですよ。ここでひとつ偽証があきらかになりました。犯人はモナコで逃げ、カーターはポラーラだったと。
前にもどこかで書きましたが、アメリカの映画特に刑事ものなんかでは犯人のクルマの特徴などを車名はもちろん年式まで伝えるシーンが出て来ます。高校生の頃に観に行った「THE ROOKIE 」(1990)でもイーストウッドとチャーリー・シーンでそんなやり取りがあり不思議に思ったんですよね。「そんな細かい特徴を全部覚えているんだ・・・凄いな」ってね。それからアメリカ車の事に詳しくなるとその理由はわかるのですが、当時はそんなことまで分からずに単純に憧れたりしました。
ちなみにこのルービン”ハリケーン”カーターを演じたのはデンゼル・ワシントン。プロチャンピオンボクサーとして説得力のある鍛えられた肉体から30年間投獄された後のスリムなボディーを作っています。この前の年にはスパイク・リー監督の「ラストゲーム」ではNBA選手レイ・アレンの父親役(バスケ版星一徹的な役)を演じていて完全にファンになりました。
その更に前の同じくスパイク・リー監督の「マルコムX」の時から気にはなっていましたけどね。代表作である「トレーニングデイ」や「アメリカン・ギャングスター」なんかは世間的に評価も高いし大好き。故トニー・スコットの「デジャヴ」も最高だったし・・・挙げればキリがありませんね。ホント大好きな俳優です。最近は若者の字幕(洋画)離れなんてのも若者の○○離れシリーズに追加されているようですがもったいないなぁと思います。
※ちょっとこの辺の記憶が曖昧なのですが証言に矛盾が生じたひとつの例として取り上げられていた事だけご理解下さい。
Jr

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