自転車からエコカーを考える

2011年07月06日 19:53

エコだ!エコだ!と言われて久しい自動車業界ですが、買い替えをさせたいだけじゃない?って思ってしまう所が多々あります。(「エコ替え」なんて悪夢のようなキャッチコピーや補助金をもらうには廃車しないとダメとかね)
ただ、3.11以降はライフスタイルを変える覚悟みたいな想いが共有されて状況は変わってくると思いますが・・・。

自転車の省エネって?
48PRODUCTの3人は実は自転車も大好きです。自転車は自分の体力がエンジン。限りある小さな力でなるべく速く遠くに行きたい。ですからクルマよりもストイックに省エネに取り組んでいます。クルマで例えるとエコランに近い考え方ですね。どんな工夫をしているかちょっと紹介します。

シャーシ(自転車本体)
1.軽量化
動かすのは軽い方が楽。当たり前の話ですよね。自転車ですとそれがよく分かります。自転車の構成部品で一番大きいのはフレーム。自動車でもお馴染みのカーボンで作られます。フレーム単体で1kgを軽々下回ります。また回転部分の軽量化も有効。ホイールもカーボン製が増えてきました。細かい部品も徹底的に重量が削られてチタンやアルミ素材も適材適所に使われています。
ただ、レースの世界においてはフレームにハンドルやタイヤ等を取り付けた完成状態で最低重量が6.8kg以上にする事となっていて、これ以上の軽量化は必要がなくなってきました。

evo_lighter_bike.jpg
Cannondale Super Six Evo

2.空気抵抗低減
自転車に乗ってて向かい風って辛いですよね?自転車の最大の的は空気抵抗なんです。軽量化を追求しなくてもよくなった結果、如何に空気抵抗を軽減する形状にするかが次の争点になっています。
アメリカのスペシャライズド社はF-1で有名なマクラーレンと共同開発したフレームを製作しました。しっかりとマクラーレンの名前が入っています。

venge.jpg
Specialized Japan
sl4.jpg
road.cc

現在開催中の世界最大の自転車レース「ツール・ド・フランス」ではエアロ効果を追求したロードバイクが各社から発表され実践に投入しテストされています。
フレームのレイアウトは基本的にダイヤモンド型を維持して、そのなかでの工夫がなされています。パイプの形状にワイヤリングの内蔵やブレーキキャリパーの位置など様々な工夫が面白いです。

回転するホイールも速度よりも空気抵抗を受ける部分ですね。あの細いスポークの数が多くて長ければその影響をより受けてしまいます。ですからリムを高くしてより短く、そして少なくてすむようにするんですね。

レギュレーションが違うトライアスロンやタイムトライアルで使う自転車の方が空気抵抗軽減については、もっと大胆なアプローチがなされています。
trekspeedcon.jpg
TREK Japan
Leopard-Tre.jpg
road.cc

翼断面のパイプで構成されたフレームで全面投影面積を減らし、ながらも巨大なパワーを受け止められるように剛性を高めています。また、ボトルの形状も専用で設計されていて、これを付ける事で更に空気抵抗を下げられるようになっているのです。ですから、補給を必要としない短いタイムトライアルでも空のボトルを取り付けてスタートするんですよ。

3.剛性アップなど
ペダルから入力した力がロスなくホイールの回転に伝わるように各部の剛性を上げます。更に機械損失を減らす為にチャーンやギヤなどにも工夫がなされます。


エンジン(人間)
クルマでも省エネって言えばエンジンが主役。自転車で言うと人間。ですから、人間をどうにかしないと行けない訳です。出力を長い間出し続けることができるポジション。学生みたいにサドルを下げてチンタラ漕いでるなんてもってのほかです!発汗量の多い運動なのでドライ素材のウェアーも必要です。それはより快適な状況で運動能力を発揮する為の工夫です。



さきほど自転車本体の空気抵抗について書きましたが、自転車自体が受ける空気抵抗は、人間のが受けるそれに比べれば実はたいした影響はありません。ですから、人間の方で空気抵抗が小さくなるように改善した方が効果は高いのです。
その為に空気抵抗の少ないポジションが必要になります。ハンドルがドロップ形状になっているのはその為です。その他にウェアーが風でバタバタしてたらロスになりますから、ピッタリと体にフィットしたジャージを着用します。安全性を高めるヘルメットだって空気抵抗を抑える形状になってますね。

tdf2011ttt.jpg
cyclowired

あとは、トレーニングで少ない心拍数でも高い出力を出せるようにするのみですが、それはまぁおいときましょう。

じゃぁ、クルマはどうなのよ?
どうしてもエコカーの技術って電気モーターやハイブリッドのシステムの方に注目しがちですが、それ以外の抵抗を減らす努力も当然いろいろな所で行なわれているんです。空気抵抗係数の低減だったりタイヤの転がり抵抗だったり、軽量化だったり。

ハイブリッドカーが同じようなカタチをしているのは空気抵抗係数を減らす為ですね。5人乗りでゴルフバッグが2つ入って・・・と条件を決めて、風洞実験を繰り返してなるべく空気抵抗係数を小さくする努力をすると同じ所になるんでしょう。

001_o.jpg
AutocOne

空気抵抗は少ない方がいい!軽い方がいい!
それならもっと割り切って尖ったEVがあってもいいのになぁー。尖ったって行ってもテスラみたいな尖り方じゃなて、例えば2人のタンデムで空気抵抗係数を抑えたアルミボディーの超軽量タイプとかね。もちろんゴルフバッグを積む程の積載スペースはいらないよ。荷物をたくさん積む時は1人しか乗らないって割り切りでもいい。パッケージからライフスタイルから変えちゃうような。

Illustration-future car 6
Photo by lili.chin

普通のラインアップに当てはめない。「これ一台でなんでもできちゃいます!」じゃなくて「これ1台で普段は大丈夫です」。みんなで出かける時は電車?バス?レンタカー?他の手段を考えましょう・・・でもいいですよね?

Jr


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