2012年02月09日 08:00

東京モーターショー2012
個人的には、以前の記事「まずは僕らが」でも書いたように実際にステアリングを握ってサーキットを走る社長がいる会社のクルマですから応援したいと思っていますが・・・。
「スポーツカーカルチャーの復権を目指す」への違和感
そんなトヨタは86発表会86 Opening Gala Partyで2013年までに7つの仕組みを作ると発表しました。(webCG記事)
何でしょう、この違和感。元々、FT-86と名前を付けていた時点で腑に落ちない所はありました。(過去記事「昔の名前で出ています」・へリテイジ)しかし、このスポーツカーカルチャーの復権を目指す7つの仕組みを知って、更に違和感が大きくなりました。

Photo by Toyota UK
そもそもスポーツカルチャーって?AE86ってどんなクルマ?ってっ定義から怪しいのですが、そこは置いといて。7つの仕組みが単なる「新車販売のキャンペーン」であれば気にもならないし、問題はないんですよ。内容は・・・
86のワンメイクレース
86で走りたい峠
ベースグレードRCを設定して86のカスタム
愛車の走行シーンを美しく撮影する86シューティングカーブ
・・・もういいですか(苦笑)ぜーんぶに86って付くんですよ。もう一度言いますが、新車のプロモーションなら間違いないでしょう。トヨタの考えるスポーツカーカルチャーって86オーナーだけじゃなかなか作れれないんじゃない?
そのスポーツカーカルチャーを作る7つの仕組みは楽しそうだと思いますよ。でもセリカやスープラやMR2じゃダメなんですか?相手にしてくれないの?せめてAE86へのリスペクトは?サービスによっては他社のスポーツカーだっていいじゃないですか。カルチャーを作るならね。
もっと冷静に(笑)48の父がCREWのblogで詳しく解説してあるので是非読んで欲しいのですが・・・
大手メーカーが丸ごと「ハチロク」の世界を創ろうとしない“見識と謙虚さ”を持つことが、本物のホビーカージャンルとクルマ文化を創ること(中略)ブランドと世界観は、トヨタさんだけの所有物ではなく、車ファン全体の資産であることに、そろそろ気がついて欲しいのです。
私にはユーザーが作り上げたハチロクの世界観にメーカーが都合良く乗っかって商売しようとしているようにしか映らないんですよ。私の周りのクルマ好きの反応は正直冷たいです。モータースポーツが文化として定着しているヨーロッパではこれをどう思うでしょうね?カルチャーで言えばアメリカのハーレーダビッドソンはどうなんでしょう?もっと上手くやっていると思うのですが。

社長の想いなんか聞いていると熱いものがあるんじゃないかと期待するんですが、大きな組織でそれが上手く伝達できないのか?アウトプットは手触りの違うものになっている感じを受けます。そもそもメーカーの中にクルマ好きっているんですか?
「クルマ好きのみなさまと一緒に86で楽しみたい。86もその楽しみ方も、クルマ好きのみなさまに育てていただくものだと思っている」と、新しい“ハチロク文化”はユーザー自身が主体となって育むものである点を強調した。
との事です。新しいハチロクのターゲットは比較的お金の余裕がある子育ての終わった世代(40~50代)と他のインタビューで知りました。子育ての終わった世代に新しいハチロク文化を育ててもらうって事ですか。その世代が牽引していくカルチャーって事なんですね。ふーん。誰がこんな事吹き込むんだろう?
どうしたらよかったか
勝手な個人的希望を最後に。
1.メーカーは作ったクルマを大事にする。
気に入って末永く乗ってくれているオーナーに敬意を表してくれて、コストはかかっても面倒を見てくれる。それはメーカー(ディーラー)が出来ない部分は窓口になって専門店に出したっていいと思います。メーカーに旧車専門の工場があったら喜ぶ人も多いでしょう。ホンダのNSXリフレッシュプランを知った時はNSXが欲しくなりました。
2.あんまりでしゃばらない
メーカーカスタムエアロなんていりません。信号待ちで同じカスタムをしたクルマと並んだら居心地悪いでしょ?でもカスタムがしやすいなどの仕掛けは大事だと思います。違うクルマの部品が共通で使えるとかね。良い素材(クルマ)を作って下さいよ。それを維持できるように手助けしてもらって、カスタムなんかはこっちの創意工夫でやりますから。
メーカーのお仕着せカスタムで「オレ、ワイルドでしょ?」って主張されてもねー。
3.安易にF-1やWRCに出たり入ったりしない
商売が大変なら規模を縮小するなど臨機応変に計画を変更して、とにかく関わり続けて欲しい。いつまでもお金を持って来るお客さんメーカーであって認められないんじゃないか?フェラーリのいないF-1は考えられませんが、トヨタやホンダがいないF-1は普通?そんな文化の重要な担い手であれば説得力が増すでしょう。レースだけがスポーツカーじゃないのはわかりますけどね。

Photo by estoril
こんな風に売り出されてしまった86が可哀想な気がします。雑誌やWebのインプレッションは上々の評価じゃないですか。良いクルマを真面目に作れるメーカーさんが、カルチャーとかまで無理に言わなくてもいいんじゃないですか?大丈夫ですよ。お膳立てだけしてくれれば。必然性があれば生まれるはずです。AE86のブームだってメーカーが予期せぬ状況から勝手に生まれたんですから。
Jr

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ハード的なつながりは関係ないとメーカーは言います。確かにカローラベースでもなしし、そうでしょう。でもそれなら世界観を育ててきたユーザーに認められなければいけませんよね?「カタチは違うけど紛れもなくハチロクだ!」ってね。

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