2012年02月17日 08:00
言わずもがなアメリカンカルチャー大好きな人にとっては正にバイブルのような映画「アメリカングラフティー」。ジョージ・ルーカス監督が1973年(スターウォーズより前)に発表した作品。舞台は1962年。ベトナム戦争で疲弊する前の美しく、楽しかった時代。ある意味アメリカ的「三丁目の夕日」なのかもしれません。
舞台は4人の少年の旅立ち前夜。ハイスクールを卒業しそれぞれが別々の道へ巣立って行く大人への入口手前。友達との別れや淡い恋など甘く切ないストーリー。ラジオから流れる時代を飾ったヒットメドレーとDJウルフマン・ジャック。ダイナーやプロム、ドライブンインシアターやドラッグレース・・・日本人からすれば憧れはすれど、どれもあまり現実感のないものだったりするのですが、根底に流れるノスタルジーは変わらないんですよね。だから引き込まれてしまうのでしょう。
1932 Ford 5-window coupe

いわゆるDEUCE COUPEです。今ではコレクターズアイテムでリプロダクトボディーもたくさん出ていますが、当時はどこにでも転がっているスクラップ。お金のない若者はコイツにハイチューンドのV8を搭載してドラッグレースを楽しんでいたとか。チョップトップ(屋根を低くする事)にサイクルフェンダーとマッチョなタイヤにドキドキしました。スティックシフト(アメリカでMTの事)のシフトノブはピストン型。
1955 Chevrolet 150

劇中でデュース・クーペのライバルになるクルマです。日本では豪華バージョンのベルエアの方が有名ですね。トライシェビーと区別される1955~1957年のCHEVROLETは本当に人気があります。古き良きアメリカを一番体現するモデルでしょう。
この150はその廉価版。メッキパーツやオプションを省いたモデルですね。ドラッグレースのベースにはピッタリでしょ。これをブラックにペイントし、バックミラー取り付け部分にはドクロをぶら下げ、若きハリソン・フォードがドライブしています。
1956 Ford Thunderbird

Photo by Fort Photo
東部の大学に行くか悩む少年が劇的な出会いをするブロンド美女が乗るのは白いサンダーバード。丸い窓(オペラ・ウィンドウ)がステキです。この映画の影響か私の中では女性のクルマってイメージなんですよね。
1958 Chevrolet Impala

Photo by Roadsidepictures
インパラってエルカミーノのベースになった1959年やローライダーが好んでベースに使う1961年以降が有名ですが、最初はベルエアのスポーツパッケージがインパラだったようです。友達にクルマを借りて女の子をデートに誘うけど相手にされない・・・「クルマだけカッコ良くてもね・・・」って事なんですね。コント赤信号の小宮さんにソックリな彼がいい味を出してるんですよ。本当はVespa乗りなんです。
1958 Ford Edsel

Photo by The Henry Ford
主人公の彼女が乗るクルマとしてエドセルも登場します。ヘンリー・フォードのの息子エドセル・フォードの名前にちなんで付けられた名前からどれくらい力を入れて開発したかがわかるクルマです。しかし結果は散々。醜いクルマランキングには必ず入ってくるその奇抜なデザインは大衆に全く受け入れられなかったようです。
「エドセル」の名は自動車業界のみならず「マーケティング史上に残る最大の失敗のケーススタディ」として語り継がれることとなった。
しかし、フェラーリとは全く正反対の結果になってしまったんですね・・・。
ナイトクルージングのシーンがあるので挙げればキリがありません。アメリカ車だけではなく、ビートルやヒーレーなんかも出てきますよ。映画もアメリカ車もあまり興味がないと観た事がいるのかな?ストーリーとしては普遍的なノスタルジーなので誰でも楽しめると思いますよ。是非!
2012/2/26 映画を見直して一部修正しました。
Jr

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