2012年08月07日 08:00
森美術館で開催中のアラブ・エクスプレス展で目に止まった映画「ピンク・スバル」。イタリアと日本の合作映画でもう、題名からやられちゃった訳ですが、流れていた予告編(YOUTUBE動画)も楽しくて。さっそく借りてきました。
舞台はイスラエルとパレスチナの国境の街。そこに住むズベイルは20年間コックとして働いたお金でスバル・レガシーを購入します。4日後に控えた妹の結婚式の準備にはこのレガシーが大活躍する予定でした。しかし翌日、目を覚ますとレガシーは盗まれていたのです・・・。
SUBARU LEGACY B4

20年貯金をして買うクルマがレガシーなんですね。どうしてレガシー?って言うかスバル?と疑問だったのですが、映画時の最初に説明があります。日本のクルマメーカーは儲かるアラブにディーラーをたくさん作るのですが、ここにはディーラーネットワークが存在しない・・・しかしスバルだけは現地ディーラーがあるようなんですね。
納車の帰りは積載車に載せて。オーナーはそのレガシーの中で詩的にレガシーへの想いを語ります。家に帰ればパーティーの準備がされていて、みんなでお祝い。クルマを手に入れただけで、みんなが笑顔で幸せそうで。それがこっちにまで伝わって来て、ここだけでこの映画を観て良かったなぁーと思ってしまいました。
SUBARU BRAT

Photo by awduthie
クルマが欲しいのにデイーラーはない・・・それならどうやってクルマを手に入れるか?産業としての「クルマ泥棒」が存在します。街でクルマを盗んでは国境近くの解体屋に持ち込み、売買するみたいなんですね。劇中に出て来るのは古いスバルが多かったです。貯金して新車を手に入れられる人は稀で、ほとんどの人はボロボロのブラットやレオーネなどに乗っています。
VW GOLF II

Photo by jenskramer
クルマの捜索は近所の友達(元クルマ泥棒や現クルマ泥棒など含む)や「クルマが見つからないと結婚出来ない」と言っている妹の婚約者や親戚のおじさんや水道施設管理で赴任している日本人等多くの人間を巻き込みながら展開します。その中で「フォルクスワーゲンだったら盗まれなかったのになぁー」なんてセリフがありました。もちろん新しいゴルフだったら盗まれるんでしょうけどね。
(ちょっとネタバレ)最後に事態が絡み合いながらもクルマは見つかります。様々な人の利害が1台のクルマに集約され、どうおとしまえを付けるのかと見守りました。アメリカ映画だったら裁判や殴り合いかな?日本だったらどうするんだろう?紛争地域でもあるイスラエル・パレスチナだとやっぱり・・・とキナ臭い状況を想像しますが、なんとも牧歌的なエンディングを迎えます。政治や民族、宗教問題とは無縁のそこで生活している人達の納め方みたいなのが感じられてステキでした。大作でもなんでもありませんが、観て損はない映画だと思いますよ。
日本だったらもっと低コストでそれなりのクルマを手に入れられるでしょう。100円ショップに行けば適当に満足できそうなものも買えます。本当に欲しいものを諦めて、代替え品で満足する事は簡単だったりするよなぁー・・・そんな事をやっぱり考えてしまう映画でした。
Jr

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コメント
バオヤッキー | URL | kx4FfFZ.
そうなんですよね、適当な物で代替えできるんですが、好きな車本体だけはそれができないのが車馬鹿な証拠なわけですよね(;´Д`A
でも、みんなそれぞれ自分が大事に思ってる品物には代替えは無いんですよ、そう言う意味では車馬鹿と呼ばれる人も一般常識を兼ね備えているってことですよね。
( 2012年08月07日 09:42 [Edit] )
ブログ管理人「Jr」 | URL | -
バオヤッキーさん
バオさんは立派な車馬鹿って事ですね(笑)私はクルマもバイクも代替え品で結構楽しんじゃうので、なかなか憧れのクルマに辿り着きません・・・ですから一直線に好きな車に没頭できる車馬鹿さんに憧れますよ。
( 2012年08月07日 17:18 )
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