白州次郎とベントレー 5

2012年08月30日 08:00

今日の記事は「元気な企業を創るデザイン」CREWのblogから転載しました。


前回のつづきです。

次世代へ「つなぐ」ミッション
涌井さん「ただね・・・この車を次の世代につなぐ仕事が僕に与えられたミッションで、これが僕の今一番の人生の悩みで宿題でもあります」

静かに語った最後の一言は、自分ごときに解決できない難問であるが故、心が圧しつぶされそうになりました。文化財といえるほどの稀少になった複数の自動車を、動態状態で活かし続けるのは、個人の責務の範疇に収まりません。博物館やミュージアムの静態保存では、動く機械の真実を伝えることは不可能です。クルマはやっぱり動いてこそ自動車なのですから・・・。なんとかしないと!

1931 Riley 9Hp Monaco
1931 Riley 9Hp Monaco 森繁久彌(俳優)さんのクルマ


W氏のRRと長谷川さんのチキバン号
ノブレス・オブリージュ(高貴さは義務を強要する)”日本的な言い方をすると、「位高ければ徳高きを要する」と言うことらしいのですが、それを実践されている方がいらっしゃいます。涌井さんのお仲間で、ショーファードリブンのローススロイスをドライバーズカーにされているWさんです。

1910  Rolls-Royce Silver Race
1910 Rolls-Royce Silver Race

氏は毎年、幸手クラシックカーフェスティバルに来られて100年も前の博物館クラスのRRに、差別なくミニドライブを体験させています。神奈川の藤沢から埼玉の幸手まで革のドライビングスーツで身を固め、走るだけでも奇跡である文化財に、おしげもなく乗せてくれるんですよ!頭が下がります。

rr_drive.jpg

もうひとりのノブレス・オブリージュ
我らが長谷川師匠です。発動機を搭載した自作チキバン号に、何時間も笑顔も子供たちを乗せ、自動車の楽しさを教えてくれています。頭が下がります。僕の身近には、遥か遠い存在の憧れであった白洲次郎がいらっしゃいました。いずれも自動車は動かすものというプリンシプル(原則)に忠実な方々です。

Handmade Movers「CHIKI-BANG」
汎用発動機を自作フレームに搭載した「チキバン号」

運命の絆
ここにラ・フェスタ・ミッレミリア2008にエントリーし、米沢で市長の号令で、今、まさに出走しようとする白洲号の写真があります。ドライバーは涌井さん、パッセンジャーはなんと!白洲次郎のお孫さん白洲信哉さんです。

wakui_shirasu.jpg
撮影は山形県職デザイン担当者の羽生田さん

白洲次郎は英国留学中に、ジブラルタルまで欧州横断ドライブを、生涯の友とした7代ストラット伯爵家ロバート・C・ビングと共にした・・・「白洲次郎の青春」ではセピア色をした写真を携え祖父の旅路を辿り、オイリーボーイとの友情を著書で語っています。その信哉さんが現オーナーと、祖父がジブラルタルまで行った白洲号のパッセンジャーとして、ロバート・C・ビング役になり、1000マイルを駆け抜けるのです。何とも言葉もありません。信哉さんはドライビングをする涌井さんを見て、何を思ったのでしょうか?プリンシプルという祖父の生き方を改めて受け継いだ・・・と言うのは僭越な僕の妄想です。僕も親父が乗っていたのと同じフリートラインを駆って新潟へ行ったことがありますがスケールの違うこと・・・(苦笑)

白洲次郎という生き方の伝承
自分なりの白洲次郎とベントレーを書いていて気が付きました。それは白洲次郎という生き方の実践でした。白洲次郎とベントレーを共に訪ねた辻さん、東北電力のKさん、デザイン職の羽生田さん、涌井社長、RRのW氏、チキバン号の長谷川師匠。OFCCさくらモーニングクルーズのみなさん。それぞれに白洲次郎曰くプリンシプル・原則を大切に生きることを継承しています。

来年の8月15日はどんな思いで迎えるだろう
1924 Bentley 3 Litre
1924 Bentley 3 Litre 白州次郎の愛車

このシリーズの書きだしは、終戦を敗戦と言わないことの意思薄弱さに嫌気が際したことからでした。白洲次郎曰く

「戦争には負けたが、おれたちは奴隷になったわけではない」

島の問題でごたごたしているこの国を見たら、今、彼は何と言うだろうか?一括されるに違いない。さあ、来年の8月15日には、この国はどんな政府で世界でどんなポジションを得ているだろうか? 僕等はどんな国を創るのだろうか?

おわり

48の父


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