2013年03月05日 08:00
最近、手に入れたAudi TTを例にしましょうか。こいつは、デビューした時の第一印象で「カッコイイ!」って思っちゃったんですが、ミニカーじゃないのでそれだけじゃなかなか購入できませんよね?そこからどれだけ思い入れが深まるかが問題です。
1393 Auto Union D Type

Photo by Richard Crawford Photography
アウトユニオンがポルシェ博士にお願いして開発したPワーゲン。そいつは現在のF1マシンの原型とも言えるミッドシップ・フォーミュラカー。様々なヴァージョンが合ってリアがダブルタイヤのなんかかっこいいんですよ。いまいちパッとしなかったアウトユニオンもこいつの活躍で大きなインパクトを残します。ミッドに搭載されるのは45度V型16気筒4.35Lエンジンですって。
1991 Audi Avus quattro

Photo by Ian-Alexander
ミッドに積んだV型エンジンはアウトユニオンのPワーゲンと同じ。キャビンフォワードスタイルはミッドシップである事を主張していますね。ちなみにAvusのエンジンはW12です。リアのフェンダーとボディーを独立させているようにみせている造形なんかはPワーゲン時代のレーシングカーイメージをオマージュしているのかもしれません。
1995 Audi TT Design Study

後に市販されるTTのコンセプトモデル。Cピラーに窓がない以外は、ほぼそのまま市販された事がわかりますね。Avusのフェンダーやルーフのアーチが似ていますよね?デザイナーのフリーマン・トーマスはAvusのサイドビューが描かれたデザインを元にVWのニュービートル、そしてこのTTをデザインしたそうです。
2001 Audi Rosemeyer

Photo by Le Buzz Auto
ローゼマイヤーはドイツのレーシングドライバーでアウトユニオンのPワーゲンで1937年には2つの世界記録と13の国際クラスの記録を更新し、公道で400Km/hを突破したそうです。そのドライバーの名前を冠したことにこのコンセプトモデルの位置がわかります。
スタイルはTTのようにお椀をひっくり返したようなカタチ。ウエストラインが高くウインドウは小さめ。グリルはPワーゲンを連想させるグリルが付いています。もちろんミッドシップのモンスターです。
2003 Nuvolari quattro

Photo by deepakkumarsahoo
今や世界中のクルマに影響を与え、アウディの代名詞となったシングルフレームグリルが初めて採用されたモデル。この2年前にRosemeyerでアウトユニオンのPワーゲン風グリルが発表された事により、何も説明されなくてもこのグリルは単純な思いつきではなく、アウディブランドの歴史から生まれたものだと想像しちゃいますよね?
2003 Audi Le Mans quattro Concept

Photo by al7n6awi
ル・マン クワトロはR8のコンセプトモデル。もちろんアウディのスーパーカーコンセプトですからエンジンはミッドシップ。エンジンがないのでフロントはぐっと低く構えています。そこにシングルグリルフレームがセットされました。ブレーキやエンジンに冷却空気を取り込む為にヘッドライト下のダクトも大型化。低くデザインされている事もあってヘッドライトとダクトの間のバンパーもなくなりこちらもシングルグリル風になったって感じかな?
勝手な私の解釈も多分に入っていますが、こうやって変わって来た事が生物の進化のように意味があるような・・・すごく腑に落ちたんですよね。アウディーのどのモデルにもアウトユニオンの栄光の歴史やDNAが根底にあるように感じる・・・これってオーナにとっても誇らしい事だし、思い入れが深まる要因に十分になるんじゃないでしょうか。

シングルフレームが採用される前のアウディでも、このように知らない人にはわからないくらい自然にシングルフレームが決まってしまうのは一貫性があるからだと思います。マイナーチェンジで最終モデルはこれがあったんじゃないか?ってくらいにはまってますよね。
これが全てだとは思っていませんよ。でもせっかく歴史あるメーカーなんだからそれを生かさないでもったいないと思うんですよね。このエントリーでも書きましたが、日本では古いクルマを大事にしているとは思えないので、急にそんな事をやられても白々しく感じてしまうんでしょうけど。
軽く写真並べるだけだと思ってたのに随分長くなっちゃったな(苦笑)
Jr

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