Austin Healey Sprite Mk1 PART-4

2010年11月02日 08:00

スタイリング
カニ目に話をもどします。カニ目は一目で全体が視野に納まり、納得できるひと塊のスタイリングです。そんな車は最近なかなかないものです。カニ目のスタイリングが、そのジャストサイズだと思います。

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全体に前後がつぼまった形は前代のスタイリングに通じます。程よくラウンドしたボディーラインも節度を持っていますし、トランクのないボディーと、ドアノブを排除したシンプルなサーフェースは、スムージングボディーの先駆者(車)ともいえます。

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そうして造形したひと塊のボディーの真ん中を、クリッとスプーンでくりぬいて、ドライバーズポジション(インテリア)を創ったスタイリングに破綻がありません。
運転席を一周取り囲むアルミトリムも、なかなかいいセンスです。ダッシュボードにはスミスのメータが並び、その気にさせます。ただし正確さは保証しませんが・・・(苦笑)

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カーデザイナーの憧れと嫉妬    
結果、性能と造形の成果がデザイナー(設計者)の意図通り、何事も突出することなく絶妙なまとまりを見せています。コストの制約で、世界初のリトラクタブルヘッドライト装着車の名誉は逃したものの、それさえもカニ目に代名詞になり、以来、愛され続けるスタイリングのアイコンになりました。

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足りないものは何一つない。スポーツカーとしての基本をすべて備え、思惑通りのドライビングの楽しみを味わうために過不足がないバランスに仕上げられたその行為は、エンジニアリングとデザインの両方を、クルマを操り悦楽の境地に浸ったことのある一人の目利きが、“譲ることと譲れないこと”をしっかり見極め、コンセプトマネージメント、誰はばかることなく実践したことが、同じデザイナーとして、憎たらしいほどよく分かりますし、同時に憧れと嫉妬が同居する複雑な気持ちにします。

十二分の開発費と熟練工の技を使いきり、世界中の恵まれたエンスージャーストに、フェラーリをデザインすることも素晴らしいけれど、それほど潤沢な資金もないが、動物としての五感を目いっぱい働かせ、車が発揮するポテンシャルを眼いっぱい楽しむための車をデザインするほうが、きっと素晴らしいと思います。

それも日本で一番小さな自動車会社でデザイナー人生を歩んだ、自分の出自故だろうと思います。唯一日本のメーカーが作ったスポーツカーで、同じ志を持った車が、本田宗一郎氏が率いて世に送り出した、「エス」だと信じています。

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何時か「エス」を所有してみたいと思っています。どなたかご縁があったらご紹介ください(笑)。いつまでも待っています。

愚痴
自動車メーカーは、企画の下に、設計とデザインが連携しないで勝手に動き、出来たモデルを、車に大して興味のない役員会が審査して、どんどん汚してしまいます。一人の目利きがしっかりデザインマネージメントをしてまとめないと、つまらない車ばかり生まれます。あーいかん!愚痴になりそう(苦笑)。

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こんなにも日本の風景にマッチする英国車もなかなかありませんよ

とにかくカニ目はグッドデザインです。

48の父


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