完璧な調和

2013年11月19日 11:05

A Single Man
ファッションデザイナーのトム・フォードの監督デビュー作にして世界的に評価を高めた映画です。舞台は1962年のロス。最愛の恋人を亡くした大学教授のジョージは悲しみにくれ、自らも命を絶つ決意をします。全ての場面で計算された非常に素晴らしい映像で溜息が漏れました。その演出がMTVのように嫌みではなく、ワンカットでじっくり見せながら物語や感情と完璧にリンクしているんですよね。
ルックだけではもちろんなく、一番大切な人をなくした焦燥感と最後の一日に訪れる様々な出来事が静かに、時に情熱的に過ぎていき・・・音楽も60年代の風景も完璧ですね。良い映画でした。

1956 Mercedes-Benz 220 S Coupé
1956benz.jpg

ジョージ(コリン・ファレル)の愛車はMERCEDES BENZのクーペ。彼は英国人でかなりおしゃれな人間。最後の日を前に遺書をはじめいろいろな準備をするのですが、棺桶に入る時に着用するスーツには「ネクタイはウィンザーノットで」とメモを入れる所なんかは彼のコダワリがみられる場面でした。暮しているガラス張りの家は1948年にジョン・ロートナーによって建てられた実在する家であり、彼がフランク・ロイド・ライトの元から独立して初めて建てた家だそうです。(Wikipediaより)

1964 Rambler Classic Wagon
1964 Rambler Classic 770 Cross Country Station Wagon
Photo by Alden Jewell

恋人の乗るランブラーのワゴン。帰省する道中でアイスバーンにハンドルを取られて事故死。ふたりで飼っていた犬も死んでしまいました。

この物語は男同士の同性愛の話です。ご存知の方も多いかと思いますが、監督トム・フォード自身の人生を投影した作品です。マイノリティーとしての行き辛さなどを語る訳ではなく、先に挙げたように大切な人を亡くし8ヶ月間苦しんだ末に死を決断した男の最後の1日を描いています。死を迎える話なのでその心情を写した映像表現となりますのが、覚悟したからこそ起きる今(命)の輝きの表現は見事でした。

そこに登場するMERCEDES BENZのクーペの佇まいも完璧にマッチしていて、「大人になったらこんなクルマに乗りたいなぁー」と感じさせてくれましたよ。それ以外の小道具もファッションも音楽も整理の行き届いた自宅も・・・その世界観に大きく影響を及ぼすのではなく、しっかりと馴染んでいる感じが心地よいんですね。

この馴染んでいて調度良いって感覚。これって大事だよなぁーと思います。

Jr


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